「東○番丁」 を探して

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仙台にいれば一度は通ったことのある「東二番丁通り」。 県庁市役所前の大通りです。

“二番”という名を冠している以上は“一番”があるはずで、またいつか別の番号の道標を見かけたことを思い出せば、

きっとその間の「東○番丁通り」もどこかにあるのでしょう。


少し前になりますが、仙台の町割りを伝えるこの通りを探して、街を散策してきました。








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仙台の城下町、その町割りの起点は、主要街道たる「国分町通り」と「旧大手筋」が交差する、「芭蕉の辻」が中心となっています。

どうやらそんな基軸たる「国分町通り」から東に数えて一番、二番・・と並ぶのが「東○番丁通り」のようです。


ちなみに「丁」は侍屋敷街を指し、「町」は町人屋敷街を指しています。

このような身分別の分布を見ると、町人街である“国分町”と“大町”が十字に交差し、

まるでそれを守るかのように侍屋敷が周囲に配置されています。

多少のズレはありますが、現在のアーケードや商店街の形と、この町人屋敷街の位置はほぼ一致していますね!

さらに地図を見ると、東西南北の要にはそれぞれ足軽屋敷が配置され、仙台城下を防衛する形になっていることも解ります。






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前述の町割りどおり、「東一番丁通り」は、基軸である国分町通りの隣にあります。

すなわち、現在アーケードになっている「一番町」商店街がそれにあたります。

一番町・・・なぜ、“町”という名前になっているかというと、

戊辰戦争と廃藩置県、続く秩禄処分によって破綻した仙台藩士達が、この東一番丁で町人のように商売を始めたからです。

侍が商人をやりだしたので、街の属性も“丁”から“町”に変わった、ということでしょう。






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定禅寺通-






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一番町商店街 (東一番丁)-






・・・






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通りの名は、仙台市の「歴史的町名活用事業」により建てられた「通り名サイン」、或いは「辻標」によって確認することができます。

ちなみに定禅寺通りも、かつて勾当台公園の階段上付近にあった「定禅寺」の参道として整備されたことがその名の由来だそう。

他の都市にも見られるとおり、情緒ある町名や通り名が多いのも城下町の特徴ですね^^







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東二番丁通りを渡り、それらしい道を探しながら東に足を進めてゆきます。





・・・




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仙台駅の近くまで来たところで「東五番丁」を発見。

今では愛宕と上杉を結ぶ「愛宕上杉通り」の名でも親しまれていますが、名掛丁の近くにその辻標を確認できました。






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さて、東五番丁通りが見つかったのはいいけど、問題は“三番”と“四番”を飛ばしてしまったことです。

きっと狭い裏路地と化しているに違いありません。 それとも既に無くなってしまったのでしょうか・・・。

なんにせよ、道標が建っていなければ気づくことも難しい。


気合を入れなおして路地ごとに南北移動を繰り返してゆくと・・・








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あった!

五ッ橋公園の片隅に「東三番丁」の辻標がありました。

ちゃんと辻標が建てられていることに ちょっと嬉しくなりました。








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足取りも軽くなったところで、続けざまに「東四番丁通り」も発見。

こちらはお隣りe-Beans裏の道でサインを見つけることができました。









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今日も賑わう仙台朝市‐






・・・





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さて、東六番丁通りはどこにあるのだろうか。

駅前通りで地図と睨めっこ。

持ってきたマップに通り名は書いていなかったのですが、「東六番丁小学校」近辺が怪しいことは明らか。







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さっそく行ってみると、花京院橋(通称エックス橋)手前の交差点に「東六番丁」の辻標がありました。







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ちなみに「エックス橋」とはは、花京院橋の愛称で、かつてその両端が共に二差路に分かれており、

上からみるとアルファベットの「X」の形に見えることから、そのように呼ばれるようになったそうです。



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                1933年の花京院橋-






・・・






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その後も、順調に仙台駅東口のヨドバシカメラ前に「東七番丁通り」を見つけ・・







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その一本東に「東八番丁通り」。







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南に少し離れた荒町近くに「東九番丁通り」を発見。








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ただ、「東十番丁通り」だけは辻標も通り名サインも見つけることができず、

黄色い「Times東十番丁」のネオンだけが、そこが東十番丁通りであることを示しているに留まりました。


とはいえ、一番から十番をひととおり歩き、ほぼ全ての道標を発見することができて、スッキリ満足の散策となりました^^








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東十番丁通り‐







・・・








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さて、自転車に乗って帰路につくと、再開発の進む鉄砲町に古い陶器屋さんを発見。

瓦屋根に鎧壁で仕上げられた、趣ある木造家屋。 軒先に開けた土間には、所狭しと陶器が並んでいます。

ノスタルジックな雰囲気に魅せられ、ご主人に断って写真を撮らせてもらいました。







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・・・




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とても気さくなご主人で、「少し座っていきなよ」と、少しお話を聞かせてもらえることに。







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ご主人曰く、鉄砲町の町名は、伊達政宗に従い大阪夏の陣で功績を挙げた鉄砲隊が由来で、

隣接する二十人町も、その精鋭二十人が住んでいたことから名付けられたということです。

この店のご先祖も、仙台開府より代々この地に住んでいるとのことでした。


写真に写っているパネルは、映画のロケ地として鉄砲町が使われたときの様子だそうです。







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榴岡天満宮へと続く二列の町並み。

とても存在感があります。







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再開発の中、なぜ一軒だけ残っているのかを尋ねたところ、換地処分の候補地との関係から立ち退きが遅くなっているとのことでした。

空襲で多くの街並みが消失してしまった青葉区と違って、歴史を繋ぐ町屋街が比較的多く残っていた宮城野区。

それだけに、この陶器店もいずれ何処かへ移転してしまうことは 少し残念に思いました。

ご主人曰く、そう話す人はとても多いそうで、ご自身もなるべく今の状態で建物を移築したいと考えているそうです。








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ゴールデンバットに火をつけ一服すると、続けてこうもおっしゃっていました。


「古い建物や街並も、よほどの文化財でない限りいずれは新しくする時が来る。

ただ、その町の情緒や絆を受け継いでゆくような更新の仕方がされないのが残念だ」 と。


道路を挟んで向かいにあったタバコ屋さんと話せなくなったことも、併せて嘆いておられました。



ご主人の言っている「歴史やコミュニティを受け継ぐリニューアル」という考えに、とても心を惹かれました。

それはきっと、古い建物に固執するだけの保守保全でもなければ、とって付けたような市街化や標準化でもないのだと。


いわゆるミニ東京を指向してきた自治体も多い一方で、最近では町屋再生を都市計画の一部に据える自治体なども増えているそうです。

このご主人の云うような新しい地域の街並みについて、私も自分なりに楽しみながら想像を巡らせてみたいなと感じました。








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そんなことを考えながら、近くにできたアンパンマン・ミュージアムを観察。

新しい建物ながら、高さを抑えてヤナギの木を植えるだけでも、随分雰囲気が残る気がしますね。

こういう建物と町屋が並存する景色も在りなのかもしれない。


思いがけず色々と勉強になる散策となりました。






・・・







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せっかくの城下町である仙台。

市の「歴史的町名活用事業」に一つのステップを感じつつ、これからは名前のみならず、その街づくりの実質においても

地域の特色が尊重にされるようになれば、ますます仙台が内外に魅力的な都市に発展してゆくのではないかと思います。



(撮影:Sony NEX-5N)



by shinjiro7633yc | 2012-09-01 23:44 | - 仙台の風景


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